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『桜とは何か 花の文化と「日本」』

 4月の読書記録・佐藤俊樹著『桜とは何か 花の文化と「日本」』 感想をまとめると以下の2点 1. 中国における花=「内なる内」としての牡丹、日本における花=「外なる内」としての桜、の対比は鮮やかであり説得的 2. 学問を学ぶということは、それがどれだけの苦痛を伴ったとしても、事実...

5月の予定

 4月の予定であった『桜とは何か』の読書記録を端午の節句にようやく完了

5月は公益法人の決算・申告を複数抱えていることもあり、読書記録の対象を自分の興味関心が強い分野にする
本籍が政治クラスタ・政局界隈(住民票は税務クラスタ)のため、次の読書記録は『吉田茂と岸信介』安井浩一郎・NHKスペシャル取材班著(岩波書店)

端的に言えば保守本流VS保守傍流(自民党傍流VS自民党本流)の話
もととなったNHKスペシャルは戦後70年の記念で製作されたものなので、10年前の作品となる

この10年間で社会は大きく様変わりした
いつまでも続くように思われた安倍官邸はコロナウイルスによって自主退陣し、その後を受けた菅義偉内閣も1年で退陣
自民党内で完全に隅に追いやられていた保守本流・宏池会による本格政権が30年ぶりに誕生したかと思いきや、ロシアによるウクライナ侵攻が勃発
国内では安倍晋三暗殺事件により30年ぶりに統一教会の霊感商法がクローズアップされ、新興宗教による被害が注目を集めた
政治とカネの問題もリクルート事件以来35年ぶりに自民党を大きく揺さぶっている
まるで昭和の末期から平成初期をなぞるかのように
(湾岸戦争・合同結婚式・リクルートコスモス)

ただし30年前と大きく違う点がある
30年前、世界は民主化に沸いていた
鉄のカーテンが開き、東欧は民主化され、ソヴィエトは崩壊した
天安門は鎮圧されたが、韓国や台湾の民主化を見ていれば中国もいずれは民主化されるのではないかと思えた時代だった
いま世界は全体主義に覆われつつある
‟効率”の悪い民主主義よりも意思決定効率の良い独裁を求める民衆が増えている
それは「自由からの逃走」をするかのようだ

10年前のNHKスペシャルで描かれた世界と何が変わり何が変わらなかったのか
それを確認する意味で読了し記録をつけたいと思う

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