西田さんのところにいきたい
花田さんの声が聞きたい
帰りの電車
毎日泣かないようにするだけでいっぱいいっぱい
新しい事務所への希望?
そんなものはない
5月頃から目の前に突きつけられ続けていた絶望から逃げ出すためのただの逃避だ
進むしかないから、片付けも入社用の準備も進めているけれど
明るい未来に向かって歩いているわけじゃない
自分で決めたことの落とし前をつけているだけだ
今日は名刺を処理してきた
最後のメモ用ノートも処理した
事務所用に置いてあった老眼鏡も持って帰ってきた
いま事務所に置いてある私物は電卓と歯磨きセットとスリッパ代わりの緩いシューズ
それだけ
いつでも消えれる
事務所の鍵と保険証さえ返せば
そして入社日に必要な住民票の写しも用意した
淡々と、黙々と
時間は止まらないから
「夜明け前が一番暗い」という言葉を私は信じていない
14年前のメーデーから始まった暗闇はいまだに明けない
資格なんかで埋め合わせられるような闇じゃない
なぜ私は心を開いてしまったのだろう
なぜ閉じたままそれらしい人間を演じてやり過ごさなかったのだろう
なぜもう一度人を信じたいと思ってしまったのだろう
心を開かなければ、こんなに辛い思いをせずに済んだのに
それでもいま何とか立っていられるのは、ささやかな夢を抱きしめているから
恐らくそれは叶うことのないただの夢想で
私の勝手な妄想でしかないのだけれど
私が勝手に誓っているだけなのだけれど
その小さな夢想が私を立ち上がらせてくれている
私は誓う
でも縛らない
私の身勝手な想いだから
だから絶望と隣り合わせの夢想を抱きしめて歩く
歩き続けていけば…
あと4日
平日だけならばあと3日
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